「柔能く剛を制す」
【注釈】 しなやかなものは弱そうに見えても、かたいものの矛先をうまくそらして、結局は勝つことになるということのたとえ。
今回はデンジャラスなテトラの前打ちで、掟破りの「細いラインを使ってみようじゃないか!」
というおはなし・・・
さかのぼること2013年1月、姫路のテトラで「ちぬ倶楽部」の取材をした時のことです。
この取材はDAIWAから登場したNEW前打ちロッド4アイテムの紹介も兼ねており、私の担当
は不遇にも“BJ SNIPER 前打ちF-53UM”で、内心は「こんなやわらかいロッドでテトラは
無理ちゃうん!?」なーんて思いながらも釣りを開始します。
当日はナイロン道糸2号にカーボンハリス1.5号の仕掛けで挑みますが、案の定ラインブレイク
の嵐でやられっぱなし・・・
いつものファイトスタイルではダメやなぁ~と思い、フックアップ後はロッドを起こさず立てず水平
に固定して、リールを巻いて魚との距離を縮める作戦に変更!
掛けた直後は穴奥へ突っ込まれますが、よくしなるロッドを固定して耐えていると不思議なこと
に魚が止まるではありませんか!?
魚を刺激しないようにジリジリとリールを巻いて、魚が動けばロッドで耐えてを繰り返し、やっと
のことで待望の1匹目を仕留めます♪♪
その後は回収率もグーンと上がってウソのような快進撃がはじまり、
終ってみれば53㎝の年ナシも登場する始末・・・
この時に「魚もロッドのパワーにあわせた引きをするのでは!?」と考え、この経験により
今までパワーありきのテトラの前打ちで、また違ったスタイルでの前打ちの可能性を垣間見る
ことができました。。。
そして、3年の月日が経ち・・・ 今年の横浜遠征で使用した
“前打ちF-53UM”が私の中で再浮上!
このロッドを使って本格的にテトラでの前打ちに取り組み、「テトラでランカー級のチヌを1号
ハリスで獲る!」を目標として、「テクニカルフィネス前打ち」のベースを構築しました。
実際のタックルをご紹介しますと・・・
ロッド:BJ SNIPER 前打ちF-53UM
道糸:ナイロン2号+ショックリーダーとしてナイロン1.5号(50㎝)
ハリス:フロロカーボン1号(30~50㎝)
ハリ:伊勢尼5~7号(通常より小さいサイズ)
特徴として、道糸・ハリス間にショックリーダーを入れることでラインの格差をなくし、ハリスへの
急激な負荷軽減を図っていること、またファイトが長くなるのでフックオフ防止の観点から外れ
にくい唇に掛けることを目的とし、小サイズのハリの使用があげられます。
最後にファイトの要領ですが・・・
フックアップ後はロッドエンドを肘に付けずに手首の自由度を上げ、微妙なロッドワークの対応
が出来る様にした上でロッドを水平に保ち、ロッドで魚を浮かすことをまったく意識せず、魚を
刺激させないようにリールをゆっくり巻いて止めてを繰り返して浮かせていきます。
このファイトスタイルは不思議なことに魚が突っ込んでも直ぐに止まり、ラインもキズがつかない
ので、ファイトの時間は長いですが回収率は顕著にアップするでしょう。
さてさて、これをお読みのそこのアナタ!
今回ご紹介した“テクニカルフィネス前打ち”を駆使して、あせらず、落ち着いて対応すれば
きっとテトラの際穴から思いもよらぬMΦNSTERを手中にできますぞォ!
「怒らさず、いなして、だまして獲る!」ちゅーのも楽しいのですが・・・
ワタクシ的にはやっぱりガチンコパワー勝負の方が好きかも!?