明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。


 さて、新年早々ですがガッツリとタックル紹介をしたいと思います。今回取り上げるのは“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”です。現在、私が目印での落し込みで主力にしているこのモデル、時代の流れや環境変化からかコアな落し込み黒鯛師には人気があるのですが、今後後継モデルが出ない事もあり、備忘録的に記事にしようと考えました。
 それでは誕生の経緯を含めてこのモデルの特性や活用法についてご紹介いたします・・・
 
“落し込みSPECIAL 45UM”の存在・・・
 
 1990年後半にダイワから“落し込みSPECIAL 45UM”というロッドが登場しました。
ブランクは当時先鋭のSVFカーボンで先径06と細く、ダイワ初となる手元で瞬時に40⇔45にズームアップできる機能を備え、1本の目印で際や前を打つ名古屋釣法に適したロッドであり、繊細な釣りを身上とする中京地区で特に人気を博したロッドでした。
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 私もこの繊細な穂先をあわせ持つ高感度の先調子ロッドを長年愛用しており、関西でのハングやスリットでもパワー負けすることなく活躍してくれました。しかし聞きアワセをメインとする私の釣り方では#2の張りが仇となり幾度か魚を乗せきれなかったことがあり、釣り方を掛けアワセに変更せざる負えなかったことも記憶しています・・・
 そして、2004年春に赤いブランクをまとった初代“BLACK JACK SNIPER”シリーズが登場!“T” モデルは名古屋釣法も視野に入れた中京向け、“T超硬” モデルはハングやスリットなどストラクチャーの多い関西向け、当時注目を浴び出した繊細な目印に特化した“パワーゼロⅠ・Ⅱ”などのモデル達がラインナップされます。
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しかしながら39⇔45のレングスはありましたがブランクはHVFカーボンであり、この時点では“落し込みSPECIAL 45UM”の後継モデルと言えるものは存在しませんでした。
 その後11年の歳月を経て、2015年春に2期目となる“BJ SNIPER”シリーズが一新され登場!このシリーズからブランクがSVFカーボンにグレードアップされ、レングスも40⇔45となり前モデルにはなかった “F” モデルがラインナップ、
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正式名は“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”であり、当時最新技術である X45 ・ V-JOINT ・ スーパーセンサーハンプ板シート などを装備し、待望の“落し込みSPECIAL 45UM”の後継モデルとして誕生しました。
 それでは次に“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”の詳細についてご説明いたします。
 
“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”はどんな竿!?

 このモデルには中京向けレギュラータイプのF-45UM(40⇔45)と低い堤防が多い関西向けF-40UM(35⇔40)との2タイプが用意さています。以前の“落し込みSPECIAL 45UM”との大きな違いは先径であり、06径に対して07径と若干太く設定されています。これについては落し込み釣りのハイシーズンに発生する南西風に向かいあって釣る際、穂先の振れを抑える効果があり、近年のBJ SNIPERシリーズの特徴でもあります。そして以前の気になっていた#2の張りは抑えられ、スムーズに#3へ移行する曲りを実現しており、スイープなアワセをする際には#3でフッキングを決めるイメージのロッドになっています。
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 このアワセからのフッキングこそがファーストコンタクトで魚を驚かさず沖への誘導を促すことが出来、ストラクチャーでの目印ロストやラインブレイクを軽減させる効率的な手段であり、私の理想とする調子になります。しかし掛けアワセをメインに考えると#3まで曲げるにはタイムロスがあり、ロッド全体の同調子的柔らかさからフッキングのあまいロッドのイメージを持たれる方が多いのも事実です。ですので私的には限られた釣り方に対応するアンチバーサタイルなスペシャルロッドと位置付けています。
 
“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”は落し込みスペシャリストのロッド!
 
 近年、タックルの進化は著しく、スリットやパイルなどチヌを狙いやすいストラクチャー周りでも気遅れせずにアプローチ出来る擦れに強いラインや魚にパワー負けしない強靭なロッドが多数登場しています。そんな環境下でも人的プレッシャーやフィールドコンディションが悪く、魚に口を使わすにはフィネスな対応を迫られる場面が年間を通して発生しているのも事実です。そんな時により細いラインでストラクチャーを攻め、掛れば魚を誘導してラインブレイクを回避して取り込める技術を身に付ければ貴方の頼もしい武器になるのではないでしょうか。スリットなど足元のストラクチャーから魚を誘導するためには魚が沖を向いた時に少しテンションを抜くなどの細かなパワーの出し入れ作業が必要です。そのため、まずは違和感なく魚に食わせる柔らかさとファイト中において魚の動きが手に取るように分かるロッド感度が必要になり、より感度の高いSVFカーボンがブランクに使われることが望ましく、私自身過去多くのロッドを使用して今一番理想に近い調子が“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”となっています。
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 さて、この記事をお読みになってご興味を持たれた方は“BJ SNIPER 落し込みF-45UM”一度手にして使い込んでみてください。魚を誘導する、言わば手玉に取るファイトスタイルは病みつきになること請け合いです!

今年は “BJ SNIPER落し込み” シリーズが更新される時期ですが、
残念なことに今回は “F” に変わるタイプはラインナップされていません・・・
しかし同じメーカーさんのフカセ竿では良く曲がるがキーワードになっていることを考えると、
いつしか “F” の後継モデルが登場するのでは!?と期待している今日この頃なのです。。