今年の夏から本腰を入れて使用している、目印の釣りを主眼においたオールテレガイドロッド。ようやく自分のスタイルが確立し、ここにきて釣果に繋がってきました。
今回は現在主力で活躍している 『 39TLM 』(TL=テレガイド M=マルチレングス) にスポットを当て、そのメリットと活用法についてご紹介いたします。
プロローグ
私がよく通う神戸港の釣り場は水深のあるフィールドが多く、堤防の形状は垂直護岸をはじめ、パイル・台船など多岐にわたっています。
また北よりの風になると六甲山系からの吹きおろしとなるので、大阪湾より風が強いのも特色のひとつでしょう。そんなフィールドでは季節や気象条件によりバイトしてくる棚が4メーター以上の展開もめずらしくはなく、全層アプローチできるヘチ釣りが多い釣り場でもあります。神戸港のもうひとつの特色としては大阪湾と比べると河川が少なく水質・水温変動が穏やかでイガイが落ちにくい環境であり、イガイでの釣期が長いことがあげられます。
これらのフィールド条件においてオーバーハングでの展開になると、イガイの進行方向をコントロールできる目印の釣りが断然有利であり、年間を通して一本のロッドで目印を主にヘチ釣りにも対応できる、いわば全層のアプローチに対応できるロッドがないものかと考えました。
オールテレガイドに着眼!
目印での落し込み竿はUガイドが主流であり、イトフケ出さずにロッドへのライン絡み防止や感度性能を上げる意味でも優れています。しかしデメリットとしてはラインの出し入れが悪く、深い棚をアプローチする時はロッドを何回もしゃくらないといけません。また小さなUガイドでは目印を巻き込むことが出来ず、五防の台船と台船の間、六防のドルフィンパイルなどにおける立ち位置を制約されるアプローチには不利な条件となります。これらを解決するためには当然"大径ガイド”が必要であり、求めるられるのは磯竿の様な性能。また高低差のある堤防をストレスなく釣るためにはマルチレングス機能がマッチしています。レングスについては神戸港での実釣経験上、MIN3m~MAX4mほどとなります。
これらの条件が揃ったロッドを探した結果、
現行モデルの『 小継 飛竜 1&2号-39M 』 (33-39マルチレングス)をチョイス、搭載されているメガトップは高感度&高強度のカーボンソリッド穂先、細径で柔軟、ハイテーパーが特徴で、カーボン穂先特有の手に響く感度はもとより、穂先に表れる視覚的感度も大幅に向上、これにより穂先先端部がキュッと曲がるため、「アタリ」の 情報を自分の目でダイレクトに確認でき、精度の高い攻めが可能です。次に6レングスに設置されているV-ジョイントは節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑え、しなやかな調子が穂先から元竿まで途切れさせず、HVFカーボンのブランクはSVFカーボンよりも樹脂量が多い素材ですが、余分な反発力を抑えたマイルドな調子で、この特性を活かして粘りとしなやかさを高めたロッドに仕上がっており、目印での落し込み釣りでは申し分のない性能を持ち合わせています。
オールテレガイドロッドを活躍させるには!?
さて、ベースとなるロッドが決まったところで、少し手を加えてイメージするロッドにしてみます。まずは目印の落し込み釣りでの大敵であるライン絡みの解消です。上げ下げの多い落し込み釣りではどうしても各ラインがヨレてしまいガイドへのライン絡み発生、特に良く振れる#1(穂先)・#2(穂持ち)に多発してしまいます。このことは穂先が折れるなどの無用なトラブルの原因となるので是非とも解決したい問題であり、そこでノーマルのLMガイドからライン絡み多い1〜2番節の固定ガイドまでを傾斜フレームで糸絡み激減させるチタンフレームIMガイドに変更しました。この変更により相乗効果として楕円SiCリングによる優れたライン放出・巻き取り性能も向上しています。
それに加えてBJシリーズのパーツから定評のあるEVA肘当てやロッドエンドキャップなどを移植してドレスアップを楽しんでいます。
そして重要なのはテレガイドロッドの特性を活かせる目印仕掛けです。巻き込みが出来るので長い仕掛けが可能であり、深い棚でもアタリが見極められるよう仕掛けの全長を3メーター弱に設定、目印はパイプ派なのでガイドへの巻き込み時にガイドへの干渉を少なくするためにパイプの詰め物に工夫をして、パイプがフレキシブルに変形するようにしています。
仕掛糸は台船と台船の間を釣る時は強度のあるPEラインを使用。パイルやハングでの釣りでは「強烈なバックスライドは強烈な抵抗が必要」の観点から浮力のあるナイロンラインを使用し、ハリス側は浮力のある太い号数、途中からは浮力を抑え気味に細い号数に変え、2種類のナイロンラインを用いた目印仕掛けを導入しています。
今後のテレガイドロッドを考える・・・
全層対応のテレガイドロッドは万能竿的な位置づけ、別の見方をすれば中途半端なイメージがつきまといます。しかしながら仕掛けを切らずにロッドを仕舞えることは時間の限られた地波止ランガンには最適なアイテムであり、また初めてのフィールドにおけるプラティクス釣行でも、数多くのタックルを持たずに一本で十分な情報を収集することが可能です。
今後、より細く折れない穂先の素材、それにともないより細径に対応できる誘導ガイドが開発されれば、伝統のUガイドロッド調子に遜色のないテレガイドロッドが登場するのではないでしょうか。現在の釣具の進化を見ていれば、そう遠くはない気がします・・・
さて、この記事をお読みのアナタもフィールドを選ばず、全層アプローチできる更なる可能性を秘めたテレガイドロッドで楽しんでみてはいかがでしょうか!?